top of page
  • TikTok
検索

薬かフロートか?ベンゾジアゼピンとの比較研究が拓く未来

~薬に頼らない不安対策としての“浮かぶ”選択~


「もう薬に頼りたくない」

「依存性のない不安対策がほしい」

そんな声が、今世界中で高まっています。


不安障害やうつ病に対して広く使われているのが、ベンゾジアゼピン系の薬(日本では「デパス」や「ソラナックス」など)。即効性がありながらも、強い依存性離脱症状の深刻さが問題視されています。


そうしたなかで、2019年のFloat Conferenceで神経科学者のジャスティン・ファインスタイン博士が行った発表は、大きな注目を集めました。


それは――「薬に代わる、不安の新しい選択肢としての“フロート”」です。


※以下の内容は、Float Conference 2019にて発表された研究内容に基づいており、医療効果を保証するものではありません。


ベンゾジアゼピンの代替として注目される“浮遊療法”

ファインスタイン博士の研究機関では、慢性的な不安やうつ、PTSDを抱える患者に対して、フロート(浮遊体験)による脳と身体への変化を観察しています。

驚くべきは、たった1回60分のセッションで不安が大幅に軽減されたという点。重度の不安を抱える50人すべてのスコアが、フロート後に著しく下がり、「一般的な正常値」に近づいたというデータも報告されました。

特に注目すべきは、その効果の持続時間。多くの人が、セッション後も24時間以上「心の穏やかさ」を感じたと答えたのです。

これは、ベンゾジアゼピンと同等以上の持続時間でありながら、副作用や依存リスクがないという点で画期的な発見です。



医療機関との連携と臨床研究

この研究は、アメリカ国立衛生研究所(NIH)から正式に助成金を受けて進められたものであり、「浮遊体験が医療分野で応用可能である」という証明に向けた大きな一歩です。

研究チームは、以下の3点からフロートの有用性を検証しています:

  • 有効性(どれだけ症状が改善されるか)

  • 安全性(副作用がないか)

  • 忍容性(患者が続けられるか)

その結果、フロートは安全で副作用がなく、しかも多くの患者が「またやりたい」と感じる方法であることが明らかになりました。



“オープンプール型”の開発で心理的ハードルを下げる

従来のフロートタンクは「カプセル型」で、閉所恐怖症の人には抵抗があるものでした。そこで博士は、天井のない「オープンプール型」のフロート装置を独自に開発。空間的な開放感を確保し、不安の強い患者でも無理なく体験できる設計としました。

これにより、医療機関やメンタルクリニックでの導入も現実的になり、フロートが“癒し”から“治療補助”への道を切り拓いているのです。



ベンゾジアゼピンとの「直接対決試験」も構想中

ファインスタイン博士は今後、ベンゾジアゼピンとフロートの効果を直接比較する臨床研究を構想していると語っています。

薬と同じような不安軽減効果がありながら、副作用も依存もない――そんな方法が確立されれば、これまで「薬以外に選択肢がなかった」人たちにとって、希望となるに違いありません。



日本における位置づけと今後の展望

現在、日本ではフロートは医療機器ではなく、リラクゼーション目的で提供されているものです。そのため、効果効能をうたうことは薬機法で厳しく制限されています。

ですが、世界中で進む臨床研究の結果が積み重なっていけば、将来的に医療現場での応用が進む可能性もあるでしょう。

実際にオーストラリアでは、フロートが障害者支援の公的制度の対象となっており、社会的な認知も広がっています。



まとめ:「薬をやめたい」に応える、新しい選択肢

「不安が強い。でも薬には頼りたくない」そう感じている方にとって、フロートという“浮かぶ体験”は、まったく新しいアプローチかもしれません。

もちろん、効果には個人差があります。けれど、何かに頼るのではなく、自分の内側に静けさと安心感を取り戻す方法があるとしたら――

それは、とても価値ある「もう一つの選択肢」ではないでしょうか。



※本記事は、2019年のFloat ConferenceにてJustin Feinstein博士が発表した研究内容をもとに構成されています。※医療効果を保証するものではなく、日本国内での医療的使用は認可されていません。

 
 
 

最新記事

すべて表示
「身体がゆるめば、心もゆるむ」科学が証明した関係性

1. はじめに:心と身体の関係は「感覚」ではなく「データ」で語れる時代へ 現代において、「身体と心はつながっている」という言葉はよく聞かれます。しかし、それを裏付ける 科学的データ があることは、あまり知られていません。 本記事では、2019年に開催された Float...

 
 
 
うつ、不安、PTSD、燃え尽き症候群…あらゆる症状への臨床研究

〜フロートタンクが「心の治療法」として注目される理由〜 うつ、不安障害、PTSD、燃え尽き症候群…これらの精神的な問題に対して、薬だけではなく「浮かぶ」というシンプルな方法が、実は世界中の臨床現場で研究され始めていることをご存じでしょうか? 2019年のFloat...

 
 
 

コメント


bottom of page