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脳と心に“静けさ”という処方箋を


フロートタンクとは?


フロートタンク(感覚遮断タンク)は、視覚・聴覚・嗅覚・触覚といった

外部からの刺激を極限まで遮断し、

浮遊状態で深いリラクゼーションを得るための設備です。


約30cmのぬるま湯に900kg以上のエプソムソルト(硫酸マグネシウム)が溶けており、

浮かぶことで無重力状態になることで、身体の感覚すら薄れていきます。


この特殊な環境では、脳が外部刺激から解放され、

自律神経が整い、心身ともに深くリセットされると注目されています。



「何もしない」ができない時代に


ある一流の科学誌に掲載された研究によると、

「人々は6〜15分間、何もせずにただ一人で考えることを楽しめなかった」

という衝撃的な結果が出ています。


多くの人が退屈な作業のほうがマシだと感じ、

中には自分に電気ショックを与えることを選んだ人さえいたのです。


つまり、私たちは「何かをしていないと不安になる」状態に、

知らず知らずのうちに陥っています。



フロートタンクがもたらす科学的効果


米国の研究チームによる実験では、

60分のフロートセッションを受けた50人すべてにおいて、

以下のような顕著な変化が報告されました。


  • 不安レベルの大幅な減少: フロート前後で「不安度(State Anxiety Inventory)」が平均14ポイント低下。

  • 特に、もともと不安が強かった人ほど大きな改善が見られました。

  • 筋肉の緊張が著しく軽減: 肩や背中に無意識に溜まっていた緊張が緩み、「身体が軽くなった」という感想も多く寄せられました。

  • セッション後の効果が持続: 多くの参加者が、フロート後1日中「穏やかさ」「安心感」「幸福感」が続いたと報告しています。

  • 血圧の低下とリラックス度の相関: セッション開始から5〜10分で血圧が10〜15ポイント下がり、そのまま維持。 また、血圧の低下度と「静けさの深さ」が正の相関関係にあることが確認されました。


内側の感覚(インターセプション)が目覚める


フロート中、脳は外的刺激を受けないため、

身体内部の感覚(内受容感覚=interoception)が活性化されます。


  • 呼吸や心拍、血流の感覚に自然と意識が向く

  • 外界から切り離され、「自分自身」と深くつながる感覚

  • 無理なく瞑想状態に入りやすくなる


この状態は、マインドフルネスや内省的な気づきを深めるための

「最適な環境」とも言えるのです。



フロートタンクは「静けさの解毒剤」


SNS、通知、マルチタスク、情報の波…

現代の私たちの神経系は、常に刺激にさらされています。


その結果、「常に誰かとつながっていないと不安」という

「つながり中毒」状態に陥ることも。


フロートは、そうした刺激過多な日常から脱却し、

「静けさ」と「自分自身」を取り戻すための時間。



選べる環境が、心を守る


私たちの脳と心の健康は、「どんな環境に身を置くか」で大きく変わります。

フロートタンクは、その環境を自分で選び取る手段の一つです。

静寂、浮遊、安心、安全—— そして、自分自身との再会。

それは、忙しさに追われる現代人にとって、かけがえのない「心身の休息」になるはずです。


 
 
 

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